2008年2月15日金曜日

剪定

コルクを開けてトクトクとグラスに注ぎ飲む。
その過程に至るまで様々な人が仕事をする。その過程を追ってみます。
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まずは、剪定。
ワインはまず原料となるブドウを収穫しなければならないが、その収穫に至るまでに膨大な畑での作業がある。
普通のワイン用のブドウは遅くても10月末には収穫が終わり、11月に入り最低気温が0℃近くに下がってくるとすべての葉が落ちる。
残った枝を次の年の4月に新しい芽が出てくるまでに切り揃えるのが剪定だが、とても奥が深い。

12月のブドウの木。葉は落ち、枝だけが残っている。

「次の年のことはもちろんだが、その次の年(2年後)のことを考えながらしなければならん。」

と言うのが口癖の造り手の所で、一度経験させてもらったが、私が1本の樹を剪定する間にプロの造り手は5本ほど終わっている。速さだけでなく私のやった樹よりきれいに整っていて、また出ているオーラのようなものが全然違う。

下の写真では見にくいかも知れないが、幹と左右に伸びている枝の間に短い枝があるのが分かるでしょうか?これがその次の年(2年後)に影響してくる。

剪定が終わった後の樹。ボルドーでは枝を2本残す剪定法が多い。


ブドウの収穫や農薬散布などブドウ栽培の過程ではかなり機械化が進んでいるが、この剪定だけは手作業で1本ずつ木を見極め、どの枝を残すか、その枝にある芽を何個残すかなどを考えながら行っていかなくてはならない。
そして、この作業がその年のブドウの収量や品質をある程度決定させてしまう。
ボルドーでは、11月の終わりごろから、3月中旬ぐらいの樹が休眠している間に剪定を行うが、1haあたり、5,000から8,000本ほどの樹があり、小さいと言われている造り手でも8ha以上の畑がある。(ちなみに有名なシャトー・マルゴーは90haも畑がある。)

この切り口から樹液が出て樹の内部に病原菌が入るのを防ぐ。「樹の涙」と呼ばれている。

そして4月になると芽が出てくる・・・

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